●山小説の棚
　山が登場する小説は、文字通り、山ほどあります。すでに古典となった新田次郎の著作は20冊以上ありますし、梓林太郎にいたってはお一人で100冊以上も書かれています。そのすべてをここに紹介することは不可能ですし、趣旨ではありません。したがってここでは、私が読んで気になった（“気に入った”だけではない）ものだけを取り上げることにします。
　また、「山岳小説」というと、区切りがあいまいですし、そのジャンル分けに意味があるとも思えませんので、山(関係の）小説、さらには山（を感じさせる）小説、ということで取り上げております。そのため、なかには、山とは直接関係ない小説も含まれていることをお断りしておきます。

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＜著者の五十音順インデックス＞

著者	タイトル	出版社など	発行年
石原慎太郎	「北壁」	二見書房（山岳名著シリーズ）	1971年
稲見一良	「ダック・コール」	ハヤカワ文庫	1991年（文庫1994年）
瓜生卓造	「谷川岳鎮魂」	実業之日本社	1972年
大倉崇裕	「捜索者」	「ミステリーズvol.09」（東京創元社）収録	2005年
大倉崇裕	「生還者」	「完全犯罪証明書　ミステリー傑作選39」（講談社文庫）収録	1998年（文庫2001年）
奥田岳志	「槍ヶ岳」	文芸社	2003年
折原一	「遭難者」	角川文庫	1997年（文庫2000年）
笹本稜平	「天空への回廊」	光文社文庫	2002年（文庫2004年）
志水辰夫	「飢えて狼」	講談社文庫	1981年（文庫1983年）
真保裕一	「灰色の北壁」	講談社	2005年
真保裕一	「黒部の羆（ひぐま）」	「乱歩賞作家　赤の謎」（講談社）収録	2004年
真保裕一	「ホワイトアウト」	新潮文庫	1995年（文庫2000年）
高嶋哲夫	「ミッドナイトイーグル」	文春文庫	2000年（文庫2003年）
谷甲州	「遠き雪嶺」	角川書店	2002年
谷甲州	「遥かなり神々の座」	ハヤカワ文庫	1990年（文庫1995年）
立松和平	「日高」	新潮社	2002年
谷山稜	「鎮魂花」	文芸社	2001年
樋口明雄	「狼は瞑（ねむ）らない」	角川春樹事務所	2000年（文庫2003年）
ボブ・ラングレー 海津正彦訳	「北壁の死闘」	創元推理文庫	1987年
松本清張	「遭難」	「黒い画集」（新潮文庫）収録	1959年
望月勇	「青年と沙漠」	講談社出版サービスセンター	2002年
森村誠一	「密閉山脈」	角川文庫	1971年
夢枕獏	「神々の山嶺」	集英社文庫	1997年（文庫2000年）
夢枕獏	「月に呼ばれて海より如来（きた）る」	徳間文庫	2001年
横山秀夫	「クライマーズ・ハイ」	文藝春秋	2003年
横山良則	「炎の岩壁」	新風舎	2004年

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