"After Six"
Yosemite Manure Pile Buttress

2003年4月29日(火)
M田(ARI)、N原(YCC)、神谷(記)

報告内の<★>マークは、写真へのリンクです。
写真のみのページもあります。こちらから。



<1ピッチ目の凹角>

ルートに関しては、"Yosemite Ultra Classics"(SUPERTOPO)を参照している。報告内各ピッチのグレードも、このトポの数字そのままである。
登るために必要なギア、各ビレイ点を作るのに必要なギア、ルートの形状等もかなり詳細に書かれているので、これさえあれば、ほかは何もいらないとも言える。

インターネットのwww.supertopo.comのサイトでは、pdfバージョンでの購入が出来る。現在、紙版の最新バージョンは2002年8月発行だが、pdfの最新バージョンでは、かなりルート数や情報が追加されている。しかも3年間アップデート無料。
※supertopoのサイトによると、最近"Yosemite Valley Free Climbs"というのも出たらしい。Ultra Classicsと比べると、ルート数はかなり増えているようだが、どう違うのか詳細は不明。

【amazon】の"Yosemite Ultra Classics"へのリンク
www.supertopo.com


After Six
1ピッチ目【M田リード】(5.7)
目立つ凹角沿いのクラックから登り出し。クラック内は濡れているが、ハンドジャムは良く決まる。中間部分が結構濡れていて悪く感じる。途中、ナッツとピトンが一個ずつ残置されていた。ピトンがあるところが特に悪く感じた。
凹角を直上するのが正規ルートのようだが、こちらはびしょびしょで登る気になれず、バリエーションである右の5.5へ。ここのトラバースは中間支点が取れないので怖そう。
ビレイは灌木で。テラスになっていて安定している。<★最初の凹角><★1ピッチ目全体>

2ピッチ目【M田リード】(5.6)
出だし、目の前のフィンガークラックを5mほど登ると、あとはIII級程度の岩場。適当にロープを伸ばして広いテラスの灌木でビレイ。<★2ピッチ目登り出し。ここを登れば易しい>
風が冷たく、寒くなってきたので雨具上を羽織る。

3ピッチ目【M田リード】(5.6)
最初のワイドクラックは、クラック内を歩いてらくらく登れる。5mほどで左のフェースへ。クラックに入らず、左のフェースをステミングで登るのだが、支点が取れないのでランナウトとなる。
After Sixの6ピッチのビレイ点の中で、このピッチのみカムで取る(ほかは灌木などが使える)。スタンスはあるので、ハンギングビレイとはならない。<★クラックに入らず左のフェースを>

4ピッチ目【M田リード】(5.6)
最初が悪くて、あとは一気にフェースを登る。ビレイ点から見えている灌木まで伸ばす。
登るにつれて寒くなってくる。雲量も増えて、今にも降りだしそう。風も強い。<★クラックをたどって>

5ピッチ目【N原リード】(5.6)
左のクラックを登りたくなるが、正面のフェースが正解。エイリアンを決めつつ、バンドに出る。その先ワイドクラックでレイバック。無理にレイバックしなくても、オフウィドゥス気味にも登れる。そのワイドクラックを抜けてしまえば、III級程度の岩場。<★ワイドクラックを抜けて>

6ピッチ目【神谷リード】(5.7)
広いテラスから、3つのルートを選べる。左から5.8、5.7、5.6。左のフェース(5.8)は最初はいいけど、カンテに出てから支点が取れなさそうだし、強風に煽られそう。右のクラック(5.6)は、あまりにも物足りなさそう。ということで、真ん中の5.7を登ることにする。
ちょうど良い間隔で凹角内に灌木があって、支点を取っていける。久々のクラックのリードだったが、ハンドジャムが良く決まって気持ちよい。快調に飛ばしていると、結構ランナウトしていた。
ルーフまで来て愕然とする。下から見たとき以上にかぶっていて、しかも濡れていて、とてもフリーで登れそうにない。今の自分にはこれは無理。あっさり右に逃げることに決める。
右のカンテへのトラバースはホールドがしっかりしていて問題なし。しかし、その先が大変だった。カンテに出ると強風で吹き飛ばされそう。必死にしがみつくが、細かいバランスクライミングをしてる余裕はない。カンテ沿いのフェースを通常なら行くのだろうが、中間支点も取れそうになく、怖いので、一旦下って、右下のクラックへ向かう。
そこで、5.6のクラックと合流。ロープの流れを考えると、下ったところで支点を取るわけには行かず、かなりランナウトしつつ、ハンドクラックを登る。技術的には易しいが、落ちられないので緊張した。
最後は灌木でビレイ。ビレイ点から一段上がったところが頂上の大テラス。
<★Yosemite Valleyに虹がかかる>

暖かければ、昼寝でもしたくなるような気持ちよい台地で、ロープをはずし、靴を履き替える。ケルンがあるので、その方向から左のガリーを降りていく。トレースがしっかりついているので、それに沿っていけば問題なし。ロープを使うようなところもなく、取付に戻れる。


4月29日(火)曇り

11:05 登攀開始【After Six】
-12:30 1ピッチ目(12.3℃)
-12:50 2ピッチ目(11.5℃)
-13:30 3ピッチ目(12.5℃)
-14:10 4ピッチ目(10.8℃)
-14:50 5ピッチ目(13.8℃)
-15:50 6ピッチ目(11.4℃)
16:10 取付(8.2℃)



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