ネパール・トレッキング(クーンブ編)
10月22日(水)[晴れのち曇り]
ゴーキョ(4790m)〜ゴーキョ・ピーク(5360m)往復〜マッチェルモ(4410m)

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3:20 起床 6℃ [脈拍62回/分]
4:00 ロッジ発
5:40 ゴーキョ・ピーク着 -2℃
6:15 日の出
6:25 ゴーキョ・ピーク発
7:25 ロッジ着
8:00 朝食
8:30 ロッジ発
9:50-10:05 休憩(パンカ(Phang・4480m)Fanga View Point Lodge)
10:30 マッチェルモ(Machhermo・4410m)Snowland Lodge着
19:30 就寝

 ゴーキョ・ピークで日の出を見るために、4時にロッジを出る。ヘッドランプを点け、ダウンジャケット、目出帽、手袋を着用。昨夜のうちにテルモスにミルクティを入れてもらっていたのだが、起きたときには冷たくなっていた。ふたが、緩んでいたか。
 満天の星空。月は新月。ヘッドランプを消しても星明りでかすかに明るい。目指すピーク方面を見上げるが、他パーティの灯りは見当たらず、暗いうちから歩き出すのは、我々のみかと思われた。
 ロッジからピークへの取付まで、飛び石で沢を渡っていくのだが、暗くてその石が見えない。明るければ、全く問題ない場所なのだが、間違えて湿地帯にはまり込んでしまった。出だしからつまずく。
 星空の下の登行は、アコンカグアの頂上アタック時を思い出させた。天へ向かってひたすら歩を進める。先行するプラカスが適当な場所で立ち止まるので、こちらもそれに合わせて休みつつ、ゆっくりゆっくり登っていく。
 高度が上がるにつれ、立ち止まる回数も増える。空を見上げると、流れ星。頂上までに三つの流れ星を見た。今望むことは、このトレッキングの成功のみ。予定通り、無事全ての日程を歩きとおせればよいが。
 分かる星座は、オリオンと北斗七星くらい。プラカスに星座の事を聞いてみるが、その概念すら分からないらしい。星座はギリシア神話だから、ネパールでは、そういうものがないのだろうか。自分が分かるオリオンについてだけ、少し話をした。
 周りの山は真っ黒で分からない。足元を見ながら黙々と歩き、時折立ち止まって星を見上げる。周囲の様子が分からないので、昨日登ったはずなのに、今どのあたりにいて、あとどれくらいで頂上なのか、判然としない。そのうちに、徐々に東の空が白みはじめ、星々が消えていった。

 昨日より、少し時間がかかったが、頂上到着5時40分。
 思いがけなく、頂上には先行者がいた。我々が登ってくる間には、光が見えなかったので、もっとずっと前からここにいたのだろう。
 チョ・オユーが先に明るくなってきて、ゴジュバ・カン、ギャチュン・カンの稜線にも光が当たり始めた。エヴェレストには、こちらから見えているちょうど反対側から陽が当たっているようで、暗く、陰になって見える。日の出がきれいに見えそうなポイントを探して、広い頂上稜線をウロウロする。少し奥のほうに場所を決めて、日の出を待つ。

 6時15分。日の出。日の出
 日本だったら、しばらくは日の出の余韻を楽しめるのだが、ここでは日が出たとたんにまぶしくて見ていられなくなる。マカルーの右あたりから日が出たのだが、日が出てしまうと、エヴェレスト方面は、全くの逆光で何も見えない。写真を撮るなら、日の出直前か、夕暮れが良いのではないかと思った。
 日の出を待っている間に、続々とトレッカーが登って来た。頂上はもう人で溢れそうだ。冷たいミルクティを飲んで、早々に頂上を後にする。<★ゴーキョ・ピークから湖を見下ろす>
 次々に登ってくるトレッカーとすれ違いながら、ロッジまで下り、朝食。落ち着いたところで、マッチェルモまで下る。当初の予定では、ゴーキョにもう一泊することになっていたが、このまま一日中ロッジにいても仕方がないし、今後の日程で、行動時間が長いところがあるので、なるべく下っておいたほうがよいだろうと思い、行動開始した。

 10時30分、マッチェルモ着。
 沢で洗濯、洗顔、洗髪など。今日も天気が良いので、洗濯物は、ロッジ近くのカルカの石組みの上に干す。夕方、日が陰るまでには乾いていた。
 14時くらいに、薄い巻雲が出る。今までにない雲。その後、すぐに消えて、夜にはまた快晴になったが、少し気になる雲だった。
 今日のロッジは、雰囲気のいい、アットホームな場所だった。小さなロッジで、宿泊客も、日本人&ロシア人カップル、ドイツ人、スペイン人それぞれ一人ずつ、と少ない。みんな英語が得意ではないけれど、共通言語は英語のみ。つたない英語で、コミュニケーションをとるのが面白い。
 ちなみに、ここのロッジは、初めてのシングルルーム(この後もシングルはなかったので、唯一のものだった)。今までも個室だったけど、ベッド二つのツインルームばかりだった。シングルルームは、場所を取るし、需要もないので、ほとんど存在しないらしい。

 ここで会った日本人は、チョ・ラ・パス(Cho La・ゴーキョとロブジェをつなぐ5330mの峠)を越えて来たという。ロッジのあるゾンラ(Dzonglha)からドラグナ(Dragnag)まで一日で行けるので、テントはいらない。峠からの展望はとても素晴らしいものだから、ぜひ行ってみたほうがいい、と強力に勧めてきた。プラカスに相談してみるが、彼も行ったことがないし、途中に休む場所(ロッジ)がないので、何かあったら大変だから、やめましょう、と言う。
 チョ・ラ・パスは、テントがないと行けないものと思っていたので、最初から予定にいれていなかった。でも、彼はテントなしで余裕で越えてきた。非常に魅力的に思えたが、そもそも、予定にないコースだったのでプラカスのいうことを聞いて、今回はあきらめることにした。


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