ネパール・トレッキング(クーンブ編)
10月18日(土)[晴れのち曇り]
ナムチェ・バザール(3440m)〜ホテル・エヴェレスト・ビュー(3880m)往復

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6:00 起床 11℃ [脈拍69回/分]
7:45 ロッジ発
9:05-10:10 Hotel Everest View・3880m 15℃
10:55 ロッジ着 15℃
12:00 昼食
19:00 夕食
20:30 就寝

 今日は、ナムチェで高所順応のためステイ。シャンボチェ(Shangboche)にある日本人経営のホテル・エヴェレスト・ビュー(3880m)を往復するだけの予定。
 今日も早朝は快晴。ロッジの自室の窓からクワンデ(Kwangde・6187m)峰がとてもきれいに大きく見える。
 ナムチェからエヴェレスト・ビューまで道の途中で、おばさんが立っていた。よく分からないが、「ここを通るならお金を払え」と言っているらしい。宗教関係の寄進を求められているようだが、プラカスも少し言葉が違うので、意味が分からない、と言っている。分からないままRs10払う。日本円で15円。領収証をもらうが、やっぱり何が書いてあるのか分からなかった。
 ホテル・エヴェレスト・ビューはあまりにも立派過ぎてびっくりする。他のロッジとは格が違う。エントランスから入って、テラスに出ると、エヴェレスト(Everest・8850m)、ローツェ(Lhotse・8414m)、アマ・ダブラム(Ama Dablam・6856m)が素晴らしくきれいに見える。腰が抜けそうなほどだ。自分がヒマラヤに来ているのだ、ということを再認識させられた。写真で何度も見た世界が、今、眼の前にある。この眺望を考えると、この場違いなほど立派なホテルの意味も判る気がする。かつては、このホテル専用の飛行機があって、シャンボチェ空港まで一気に入ったそうだが、最近墜落して、今はなくなったらしい。<★ホテル・エヴェレスト・ビューからの眺め。正面がエヴェレスト。右端がアマ・ダブラム>

 晴れていた空だが、9時30分ころからはもう雲が出てきて、エヴェレストを隠してしまった。我々が到着したときには、ゴーキョから戻ってきたと言う日本人が一人(とガイドとポーター)がいただけだったのだが、その人たちが降りて行ったとたんに8人くらいの日本人のグループが登ってきて、さらに別の日本人も来て、テラスは日本人だらけ。日本のレストランにいるような気分になってきて、さっさと降りる。
 今日は、ちょうどナムチェでバザールの日(毎週土曜日がバザール)だった。昨日、一昨日と、トレッカーよりも、ヤクやポーターの数が多いんじゃないか、と思って歩いていたが、どうやら、このバザールのための荷物が多かったらしい。ナムチェ・バザールの入口付近にネパールの人たちのバザールが出ていた。食料が多い。果物や野菜、生肉なんかも売っていて、にぎやかだ。<★ネパール人のバザール>
 日本のテレビクルーがいた。「世界遺産」のステッカーを貼ったカメラを持っている。このあたりは、「サガルマータ国立公園」になっていて、その全てが世界遺産なのだが、彼らはどこまで登って撮影するのだろうか、と思う(2003/12/7に放送)。

 ナムチェとタムセルク(Thamserku・6608m)をカメラで一緒のフレームに入れて撮りたくて、ターメ(Thame)の方の稜線に登る。14時ともなると雲が多く、タムセルクは、わずチベタン・バザールの鮮やかな彩りかな間その頭を雲間にのぞかせては、すぐにまた見えなくなってしまう。一瞬しか見えないだけに、見えるその一瞬一瞬のその美しさにため息が出る。おそらく、ずっと見えていたとしたら、その感動は見えたときの一瞬だけで、あとはそれが当たり前に感じてしまうのではないか。そう考えると、感動を何度も味わえるという意味で、雲が多いのということも悪くはない。<★ナムチェの村と頭をのぞかせたタムセルク>
 はるか下に見える、ナムチェ・バザール。チベタン・バザールの赤と青など色とりどりの衣類の色が鮮やかだ。ここには、バザールの喧騒はない。たまに、ポーターが通りかかるくらい。
 ヤクの糞のにおい、遠くから聞こえる石切の音、カラスの鳴き声、鈴の音。
 吹き抜ける風、眼の前を過ぎてゆく雲。
 3440mのナムチェでの穏やかな一日が暮れていった。


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