<9.補足(1/2)>   (記:神谷)

ここでは、アコンカグア登山を行う際に特に注意すべきと思われる、
「入山許可証」「ムーラ」「気象」そして「ことば」ついてをまとめた。
金額等は、全て我々が登山を行った時点(2000年2月)のものである。

[入山許可証について]

 現在アコンカグアに入山するためには、許可証が必要となっている。
 登山申請は、メンドーサ市街から少し離れたサン・マルティン公園(Parque San Martin)にある再開発自然資源局(Direccion de Recursos Naturales Renovables/Renewable Natural Resouces Direction)に行って行う。申請書は局内に置いてあるのでレンジャーにもらって記入し、署名する。項目は(主に)以下の通り。(ちなみに申請書は英語とスペイン語の両方で書かれている。また、レンジャーは英語もできる。)
   ・ 名前・パスポートNo・住所・リーダー名・山岳会名・連絡先
   ・ 上り下りのルート名・(予定)入山日下山日
 申請書、パスポート、入山料($120)を渡してしばらく待つと終了。許可証と登山案内の冊子をくれる。所要時間は、全部で約30分くらい(入山料については下記【データ】欄参照)。
 許可証は2つに分かれている。1枚は最終的に下山地のレンジャーに渡し、もう一枚は自分で持ち帰ることになる。
 Polish Glacier Routeの場合、まず入山して1泊目のパンパ・デ・レーニャスのレンジャーに許可証を見せ、ゴミ袋(大1小2)をもらう。ゴミ袋にはナンバーがふってあり、そのナンバーを許可証にも記入してもらう。次に、通常のベースキャンプとなるプラサ・アルヘンティーナでチェックがある。許可証を見せ、下山路はどうするかという質問を受けた。
 今回下山路として、我々はノーマルルートを選び、プラサ・デ・ムーラスに降りた。プラサ・デ・ムーラスで、ムーラに荷物を預ける時にゴミ袋も一緒に渡すと、ムーラ遣いの人が、許可証のナンバーとゴミ袋のナンバーをチェックし、確かに受け取ったというサインをしてくれる。最後に、下山地であるプエンテ・デル・インカ(実際にはオルコネス湖の付近)にある管理センターのレンジャーに許可証を見せ、一枚を渡しもう一枚は自分でもらって全て終了となる。
 もし下山の際、ゴミ袋のチェックがない場合、$100の罰金を取られることになる。

【データ(1999年-2000年)】
<入山料>
20日間の登山:閑散期$80、繁忙期$120
7日間のトレッキング:閑散期$30、繁忙期$40
3日間のトレッキング:閑散期$20、繁忙期$30
【閑散期(Low season):11月14日から12月15日、2月16日〜3月15日
繁忙期(High season):12月15日から2月15日】
<再開発自然資源局の営業時間>
繁忙期:月曜から金曜の8時〜19時/土曜、日曜の8時〜12時
閑散期:月曜から金曜の8時〜12時、16時〜20時/土曜、日曜の8時〜12時
<連絡先>
Av.Los Platanos s/n Parque General San Martin (5500) - Mendoza - Argentina
Tel.Fax:(0261)425-2090/425-7065
e-mail:aconcagua@mendoza.gov.ar

[ムーラについて]

 ムーラはオス馬とメスロバとの間の一代雑種。いわゆる騾馬(ラバ)。一頭で60kgの荷を背負ってくれる。アコンカグア登山を行う上で、なくてはならない存在である。
 今回アプローチのムーラは、宿泊していたユースホステルで頼んだ。我々が宿泊したユースホステルはCampo Base(カンポ・バセ)と言って、アコンカグアの登山基地となっている場所だ。ムーラやガイドの手配も行ってくれる。一泊$8で街にも近いので便利。ここで、アプローチの車とムーラを手配してもらった。
 車は前日メンドーサからペニテンテスに入り、次の日にプンタ・デ・バカスまで行ってくれて、一人$20。ムーラは、プンタ・デ・バカスからプラサ・デ・ムーラスまで一頭(重量60kgまで)$240だった。
 重さは正確にチェックをするわけではなく、少々のオーバーは許容範囲のようだ。宿泊地ごとにムーラが停まってくれるので、防寒具や食糧を預けても大丈夫。ムーラは足が速いので、我々より後から出発して、先にキャンプサイトに着いていることが多かった。その場合は、キャンプサイトのどこかに荷物が適当に置かれていることになる。
 ムーラに預ける荷は、つぶれたり砂だらけになったりしやすいのでパッキングに注意した方がよい。当然であるが貴重品は預けない方がよいだろう。また、ムーラに預けるものを入れるバック(できれば鍵がかかるもの)を用意しておく便利である。ただし、袋は丈夫なものでないと破れるおそれがある。
 下山時はプラサ・デ・ムーラスでムーラを頼んだ。プエンテ・デル・インカまで$60。途中、コンフルエンシアで泊まろうとすると別料金を取られるようである。


[補足(2/2):気象、ことば]へ

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