「一年間の成果は?」
瑞牆山 十一面岩正面壁 「ベルジュエール」

2002年4月27日(土)
メンバー:石川(同流)、三堀(同流)、神谷(記)
報告内の★マークは、写真へのリンクです。



<ジャミングを極めろ! 4ピッチ目>

調和の幻想」を登るつもりだったのだけれど、アプローチを間違えて、とんでもない方向に歩いていて、2時間半もかけて取付きに着いたら、先行パーティがいて、しかも2パーティで、その両方が「調和の幻想」を登るということで、これは待っていられない、と思って、やむなく正面壁に移動して、時間的に途中までしか行けないと分かっていながら、ベルジュエール(前半のみ)を登った。(しかし、2週間前に同じ場所に来ていて、なぜ道を間違える?)

 ベルジュエールは、昨年の6月にも登りに来ている。そのときは、大フレークの手前で敗退。「次に来るときには、必ずあのフレークをリードしてやる」と思っていたのだが、まさかこんなに早く再登の機会が来るとは、全く予想していなかった。
 と言っても、時間的に「白熊のコル」からの下降は確実で、あれから特にクラックを練習したわけではないので、再登にはまだちょっと早いよなあと思っていた。

1ピッチ目【神谷リード(以下すべて)】A1
前回と同じく、正規ルートの左から取付く。ちょっとフリー混じりになるところもあるけれど、途中何箇所かペツルボルトもあって、安心。アブミは今回は投げ捨てないで持っていく。

2ピッチ目 5.9
前回、A0の連続で悔しい思いをしたフェース。今回こそはフリーで行こうと思っていたが……。足が勝手にミシンを踏み出して、言うことを聞かない。「あれから一年、トレーニングもそれなりに積んだし、登れるはずだ登れるはずだ」と言い聞かせるが、結局無念にもA0。ああ。<★カンテからフェースへ移る

3ピッチ目 IV+
前回の3ピッチ目と4ピッチ目を一気に伸ばす。
前回の4ピッチ目は、左のコーナーを行って、「あまり美しくないな」と感じていたので、右のフェースを登ってみる。しかし、これが怖い。10mくらいのフェースで、RCCボルト2本しかない。途中のフレークにエイリアンを極めてみるが、小さすぎて、ちょっと引いただけで抜けてしまった。ホールドは豊富なので、一気に行けば問題なさそうだが、その勇気がない。2本目のボルトのすぐ下まで行くが、クライムダウンして、左のコーナーに逆戻り。ああ。

4ピッチ目 5.10a
「ただいま」という感じのするクラックだ。昨年は非常に苦労した場所。今回はスイスイと、と思っていたのだけれど。結局、A0の連続。ああ。<★見事なクラックだが><★ジャミングを極めろ

大フレークも様子見で良いから、登ってみようかな、と思っていたが、4ピッチ目のクラックで力尽きていて、登る気力は残っていなかった。またしても、大フレークを前にしての下降となった。


 私は、この一年でどこか成長したのだろうか。これまで、同じルートを何度も登ることはあまりなかったのだが、一年前に登れなかったルートが、またしても登れず、ここまで「(自分が)変わってない」ことを見せつけられると、かなり厳しいものがある。確かに、クラックはあまり登っていないので、そうそう上手くなるわけはないのだが、フリーはそれなりにやってきたつもりだ。室内壁でのグレードは着実に上がっている。しかし、クラックは……。
 ナチュプロそのものは、何度かやってきたので、クラックの大きさに対する、カムのサイズというのは大体分かるようになって来た。以前のように、カムの大きさを何度も間違えてはやり直し、ということは少なくなった。カムをちゃんとセットすれば、安心できる、という感覚も身についてきた。そのあたりは成長、と言えなくもない。
 しかし、登り方はどうなのか。というよりも、レストの仕方が大事なのか。ジャミングを極めているんだけれど、あっという間にパンプする。うまくレストする余裕がないから、あせってますます力を使ってしまう。悪循環。
 上に向かって伸びているクラックを見て、あれを登ってみたい、という気にはなる。それに、クラッククライミングは、残置支点などを何も残さないという意味で、きれいなクライミングだと思う。

 やはり、クラックをやるなら、集中的にトレーニングをしないと、成長はしないのだろうか。今年は、クラックがんばってみようかな。
(ああ、でもフェース部分も成長してないんだよな……。)

4月26日(金) 
22:30 立川発

4月27日(土) 晴れ
1:00 駐車場着
6:00 起床
6:50 出発
9:20 末端壁取付き
9:40 正面壁取付き
10:00 登攀開始
14:45 白熊のコル(7℃)
15:20 正面壁取付き
16:20 駐車場着


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