山行短信
八ヶ岳 阿弥陀北稜
2001年2月24日(土)−25日(日)
メンバー:原田、神谷(記)
2月24日(土) ◆今週は四月のころの陽気と言う暖かさ。美濃戸口は雨。赤岳鉱泉も雨。行者小屋さえ雨。この時期、行者小屋で雨というのは初めての経験。 ◆気温は+5℃。雨になるわけである。 ◆積雪は多い。行者小屋にはここ5年くらいは毎年来ているが、一番多いと思う。 ◆雨では身動きのとりようがない。せめて雪なら、と思うが、どうしようもない。 ◆初日はさくっと阿弥陀北稜。日曜に赤岳主稜に行く計画だった。しかし、こんな天気では動く気にもならない。テントの中でひたすら停滞。 2月25日(日) ◆目を覚ますと外は雪。雨音が止んだと思ったが、雪に変わったようだ。低気圧の通過とともに寒気が降りてきたとのこと。急激に冷え込む。気温−13℃。 ◆新雪は10cmくらい。視界は200mくらい。 ◆昨日の雨で融けた雪が、この寒さで凍りつく。さらにその上に新雪。雪崩の条件はすべて整った。非常に危険な状態だ。 ◆パートナーの原田くんは、雪山縦走の経験なし。本チャンはアイスのコウモリ沢。この気象条件も考えると、赤岳主稜はちょっと厳しい。阿弥陀北稜に決定する。 ◆北稜へのトレースは全くなし。文三郎道と中岳沢の分岐の道標から、10分ほど中岳沢へのトレースを歩き、そこから無理やり尾根に乗り上げる。 ◆はまると胸まで埋もれる。強引に尾根へ。 ◆尾根上にもトレースはなし。凍った表層を慎重に歩く。一歩一歩そっと体重をかけていく。油断すると、表層が割れ、膝上くらいまで埋もれる。 ◆低気圧が抜けたので、今日は一気に天気が回復すると思っていたが、そうはならないようだ。多少視界は広がり、空は明るくなってきたが、降雪はある、風は強い。 ◆核心は2ピッチの岩場。雪がついているのでいやらしいが、階段状なので技術的には問題なし。2ピッチ目の出だしとその先のナイフリッジが少し怖い程度。原田くんも難なくクリア。 ◆支点は雪に埋まっていて見つけられない。2ヶ所のビレイポイントのハーケンは何とか見つけたが、あとは岩にシュリンゲを巻きつけて支点とする。 ◆阿弥陀北稜は2回目。最後一気に頂上に出てくるのは気持ちが良い。これで天気がよければ、と思うが仕方ないだろう。 ◆時間的には中岳を通り、赤岳まで縦走できたが、天候回復の見込みは薄く、相変わらず視界は悪いためこのまま下山とする。 ≪まとめ≫ |
2月24日(土) 雨
0:19 立川急行アルプス発
3:00 茅野着
6:00 茅野バス発
6:45 美濃戸口バス着(900円)
6:50 美濃戸口出発
7:50 美濃戸山荘
10:00−10:40 赤岳鉱泉(5℃)
11:10 行者小屋
19:00 消灯
2月25日(日) 雪(美濃戸口は晴れ)
4:30 起床
6:15 出発(−13℃)
6:35 分岐
7:50 岩場取り付き
7:50−8:25 P1
8:25−9:00 P2
9:15−9:30 阿弥陀岳(−15℃)
10:35−10:50 行者小屋(−15℃)
11:50 美濃戸山荘
12:50 美濃戸口
13:07 美濃戸口バス発
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