「1000-48=?」
御坂 大幡川 四十八滝沢 アイスクライミング

2004年2月11日(水・祝)
メンバー:倉田(YCC)、神谷(記)
報告内の<★>マークは、写真へのリンクです。



<25m大滝を左から登る>

前回の大谷不動でコテンパンにされたので、もう少し楽しめるところに行きたかった。
そこで、四十八滝。
スケールや、滝の技術的な難易度は大谷不動と比較にはならないが、
登っていけば、三つ峠の山頂に着く、というのが魅力的だと思っていた。
日帰りで手軽に登れるし、歩きのトレーニングにもなる。

今回は、電車とバスを使ってのアプローチ。
都留市8時20分発の宝鉱山行きバスに乗り、終点で下車。
8時45分から歩き出す。

三つ峠山頂への一般登山道があるので、道は整備されている。
表登山道ではないが、指導標などがいたるところにあるのを見ると、こちらから登る登山者もある程度いるのだろう。
林道から登山道に入り、一本目の沢を渡り、その次の沢で登山道を離れて入っていく。
登山道入口にあった入山届けを見たところ、先週末にも入ったパーティがあるようで、トレースもバッチリ着いていた。

しかし、沢に入ってみると最初は堰堤の連続。藪をこぎながら2-3個の堰堤を左から巻く。下流域には大した氷もないので、途中で登山道が沢を横切る地点(鉄鎖あり)まで、一般道を歩いたほうがいいんじゃないかと思った。

さて、そのあたりからアイゼンをつけて登りだす。
小さい滝は、ノーロープでさくさくと。
25mの大滝15mの滝の2箇所でロープを出した。

25mの大滝は、中央部分が未氷結で、かろうじて凍っている部分も、水流が透けて見えるような感じ。どちらかと言えば、右からのほうが登りやすそうだったが、途中に岩場があって嫌らしそう、ということで、左から登ることにした。
倉田さんがリード。
スクリューもちゃんと効いているか不安だし、氷ごと崩壊して滝の水流に落ちたら、確保の意味はあまりない。ドキドキしながらのビレイ。バイルを打ち付けるたび、豪快に壊れていく氷を見ていると、こっちがハラハラしてくる。
核心部には、スクリューセットの仕様がないので、結局中間支点は2本で何とか登りきって、左の灌木でビレイ。<★25m大滝を登る><★真ん中が未氷結の大滝>

フォローの私は、なるべく壊さないように、軽く引っ掛けるようにして登る。
水流に飛び込まないように、と祈りながら。

ビレイ点からロープをそのまま引っぱって、15mの滝下まで。
途中、4-5mくらいの小滝が2つあったが、確保なしで登る。<★傾斜もないのでノーロープ>

15m滝は、右側が立っていて、左側の傾斜は緩かった。せっかくロープを出すんだからと、右側を私がリードで登る。
氷結はしているのだが、表面を水流が流れていて、バイルを伝って手に凍みる。
幸い峡は暖かい日だったから良いが、それでもスクリューセット中は、手が震えた。
スクリューは2本だけ使用。<★右側は水が染み出している>

そこでロープをしまう。
後は滑滝をひたすら稜線まで登っていく。
途中、沢が分かれていて迷う部分もあったが、氷のありそうなところと、先週のパーティのトレースを頼りに稜線に出た。
<★滑滝をさくさくと><★氷結状態はまずまず>

技術的には難しくないが、ルートを登るという本来の楽しみを味わえた。
ラッセルはほとんどなし。前日くらいに降ったと思われる雪が少し積もっていたが、深いところで足首が埋まる程度。
単に高グレードを追い続けるのではなく、たまに、こういうアイスクライミングをすると、クライミングを始めたころの楽しさ、喜び、などを思い出す。

天気も(暑いくらいで)良好だったし、氷の状態もまずまずだった。
三つ峠の山頂を越えて、下山する、というのも充実感を深まらせることになった。
日帰りで楽しむには好ルートだな、と思った。

ところで、四十八滝は、別名「千段の滝」、とも呼ばれている。
どちらも「たくさん」を表現しているのだろうが、48と1,000では、大きな違いだ。

調べてみると、「四十八滝」「千段の滝」ともに、日本中に同様の名前の滝が多数ある。
 (参考:赤目四十八滝宇津江四十八滝鳳鳴四十八滝別府峡千段の滝木沢千段の滝などなど)

ちなみに、パッと調べたところでは、一番数が多そうなのが、四十三万滝
430,000段の滝だったら、すごいのだが、これは、『昭和9年、九州日々新聞社が景勝地募集を行ったところ、43万票を獲得し第1位になったことから、この名が付けられたとも言われます。』ということらしい。
43万の滝が全て凍って、それを次々に越えていくというルートがあったら、どんな感じだろうか、と想像してみる。


2月11日(水) 晴れ -2℃〜-5℃
8:20 都留市駅バス発
8:45 宝鉱山バス着
9:05 登山道入口
10:25 アイゼン着
10:44 25m大滝
13:30 稜線
14:05 三つ峠山頂
16:10 三つ峠駅着


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